墓場の裏から視ていた

孤島に屍骸、それの横に落ちていた日記。株の事とかを記録してある。

 隣の大きい市場が潰される。自転車ですぐだし子供の頃から色々と馴染みの生活圏だ。なにより、昔祖父が商売をやっていた場所でもあって自分のルーツでもある。ギリギリは嫌なので今日、最後の通り抜けをしようと考えていたが、雨だから別の日にする。 
 この1年・1年半、市中の東西で一気に進めるどさくさ紛れの一環だ。誰かがかけた大号令を例外なく避けきれなかったんだろう。情緒に訴える事はしないし、物分かりはいい。しかし、わざわざ買い物客を含め市場の人達の人生に因縁をつけ、退場させた後に出来るのが、地方地盤の中堅マンションだというのが悲しい。この辺りの土地を買い漁ってコンビニ以上にマンションを建てまくっては、「300万円値下げしました。新築!」などのチラシを、毎度ポストに入れてくる意味不明な連中だ。
 建築関連・人材関連・セキュリティー関連、こういったスクラップとビルドで、一時的に整う見かけの数字があり、その数字によって続けることが出来る立場と身分の人達がいるんだろうが、それならそうと正面から言ってくれればいいのに絶対言わない。白々しく「防災の観点・市民の安全を最優先に考え~」等の作文を、恩着せがましく読み上げるから気に食わない。さんざん災害を乗り越えてきた強い地域の歴史を知らんよそ者か。
 こんな世の中で健気に底辺人生を受け入れても未来はない。この最近、見せつけられるのは、子供の頃から景色として360度感じていた、頑張って地域を造り支えてきた立派な大人、かけがえのない一人ひとりの呆気ない追いやられ方。挙句の仕打ちで、市場のおっちゃん・おばちゃんと同じような背中になる訳にはいかない。

 雨の朝の今日も、乱暴なトラックが突っ込んで、崩れ落とされる音が続いていた。どこだろう・・・浅い眠りになった。代わりに書留でCFD口座のIDが届いた。なんとか模索をしなければ。