墓場の裏から視ていた

孤島に屍骸、それの横に落ちていた日記。株の事とかを記録してある。

疑心暗鬼⑤

 月曜の朝、玄関を出てすぐの場所で職質、警察署まで任意同行させられることになった通報は、『脚立に昇って家を覗き込んで撮影している男がいる』との嘘混じりものだった。交差点からの街並みを、いつも通りの撮影をしたが脚立などは持っていない。
 提出したファイルを署で確認中に待たされていた別部屋で、一応規則なのか形だけ横に付いたままの片方の警察官と「こうやって話しを聞いている中で大丈夫な人だっていうのは、もう内心分かっているんですけどね。すみません」との会話になった。フロアで情報は共有されているらしく、別の人が「通報があった以上はこちらとしても・・・ねぇ」と伺ってきた。そしてやはり『脚立に』という嘘がポイントだったらしいことを理解した。外からも「脚立ってどうだったん?」と、不審な脚立男の結果を確認しようとする別の署員の声が聞こえてきた。
 今回の救いは当たった警察官が終始丁寧でまともな社会人であったこと。昔の勘違いした不良警察官とはエラい違い。20年前は同じ任意の職質でもハナから喧嘩をしたいだけのチンピラばかりで、人の会話など成立しなかったという記憶のままだったが、これも時代の変化か。
 その時代の変化により、対称的に好人物であったはずとの記憶のコメ屋の主人は、どんよりとした嫌な空気を纏うようになっていたことに気付かされ、限りなく『嘘』の張本人であるとの黒の心証を得てしまったが、あの闇は他人事ではない。
 コメ屋の主人としても毎日おもしろくはないはずだ。今や個人店でコメを買う客などはいない。古い街で米穀を扱っているということは代々の店かも知れないが、長い年月守り構えた店の周囲の変化は急激。増えるのは監視カメラとワンルームアパートばかり、コロナ禍なのになぜか中国人がウロつく。既にあらゆる個人店は徹底的に駆逐されて街から消えている。対角の商店街も上場地方中堅のマンションになった。そしてかつてはモダンだったはずだろう店の反対車線側の建物群も、利権誘導を隠しきれない押し付け公共再開発で姿を消して逝く。その様子を3分の2以上が空室のマンションの一階で早朝から店を開け、誰も来ない中でじっと眺めさせられる。そこには本屋・はんこ屋・印刷屋。まさに今、社会から抹殺される何十年来の馴染みの近所を見送る70歳過ぎの心中はいかばかりか。自らも執行を待つ身となっている憂さが、腹いせの『嘘』のスラップ通報に繋がったのではないか。
 しかし、ニタついて「ポリ公に連れて行かれよったな」と言ってきた時の表情は、まさにネット上でいうところの『ざまぁ』以外の何ものでもなく、もっと邪でもあった。会話ができそうな人ではなくなっていた。
 これまでも早くこの最深部から脱出しなければと焦っていたが、今回、感覚ではなく具体的に、はっきりと闇の向こうを垣間見た。ここに居ては自分もあの様に変わってしまう。そんな恐れもあることを知ってしまってずっと鬱。肌着屋のお婆さんの最期とも合わせて、また書き残すことになる。 

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4/1(夜)~4/2(日) ミニTOPIX 残り 買い15枚 売り13枚
松井証券先物OP余力情報より

今回の目標(3/30夜スタート)
4月26日の日中取引終了時点までに前回からの建玉を一括返済
(=3月からの預かり増加額の合計がプラスで確定する圏内まで進む)
3/19営業日経過 預かり増加額、計+47312円 未確定参考

 危ない。また滅茶苦茶危ない展開。建玉を減らそう、含み損を減らそうとすればすれるほど裏目裏目。何もせずにじっとしておくのが正解だとは分かっているのに。姿の見えない敵は本当に上手い。誘いが狡猾。
今夜の米国の経済指標で飛ばされるかもしれない。