墓場の裏から視ていた

孤島に屍骸、それの横に落ちていた日記。株の事とかを記録してある。

 /先週からは封印していた時代の遠い記憶を引き出してしまう週間となってしまった。まだ引き摺って続いている。
 今となっては本当に信じられないが、一番若い頃はみんなと酒を口にしていた時期もあった。これは夢の中での記憶だったかと考えてしまうほどだが、確かに居酒屋などでもメシを食べていた。中国出身の王さん達と。
 当事、カネが必要になり地元の繁華街で夜中まで働くことになったが、先に入っていた先輩が優しい王さんだったので助けられた。別の国の人間であっても、為政者やそのぶら下がり連中を除けば一般庶民同士、その芯は何ら違わないとの考えはずっと変わらないだろう。王さんやその日本での友人は普通に冗談も通じるし同じ感性、いい人達だった。
 ただ、しかし彼らだけに共通するものがあった。繁華街には他にも知らない中国人が何人もいたが、思い起こせば見分けがはっきりとついていた。総じてその『影』が灰色で濃かったからだった。一緒に働いていた同い年の日本人Mの口癖が「王さんの鼻筋うらやましいなぁ」ばっかりだったが、その整った顔の王さんにしても悲壮感を隠せていない時があった。何とか人生を好転させようとする決意と焦りが重たい疲れとなり、追い詰められていたのかもしれない。王さんは結婚をしているが相手は本国に残して来ていると言っていた。Mも自分も気楽なものだったかもしれない。
 ネット社会総移行前夜のその頃と比べて世界は急激に別のモノとなった。北京五輪以前などでは、中国発の『街の隙間に挟まって救助される子供』みたいな笑えるB級ニュースがテレビでも頻繁に流されていたが、今や他国の政治家達が憧れる強権がオブラートに包まれながら伝わるばかりで笑えない。
 そんな先にある現在、この近所で中国人とすれ違うことが多くなったが、その都度に覚えていた違和感の正体が判明した。それは、令和の中国人にはかつての繁華街の中国人達の持つ『影』が全く見当たらない、これだ。だから全く日本人の気配をしていて唐突、中国語を話しているものだから驚いて振り返ってしまう。此処での暮らしが馴染んでいるようにも見受けられる。
 そして うちも4人家族だったが、初めからバラバラだったのでその道をあんな風に歩いた記憶は幼い頃にもない。実家のすぐ傍、住宅街で、幸せそうな生活感の溢れる家族とすれ違った。弾むように歩く小さな子供達を連れた家族の、何やら楽しそうな中国語の会話を目で追ってしまった折、ふと王さん達のことが思い出されて光と影の対比を認識するに至った訳だけど、直後にさらに悟ってしまった。だからずっと落ち込んでいる。今、刷新されようとしているこの本籍の地で、恐らくすれ違いざまに見分けをつけられている立場は自分の方だ。

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1/15(夜)・1/18(日) ミニTOPIX 残り 買い2枚 売り2枚
                        日経225mini 残り 買い1枚 
松井証券先物OP余力情報より

先週金曜夜間のもの凄い下げと反発にスタックして立ち往生。建玉がもう少し多かったら終わっていたかも。しばらくは様子見の待ち。
アメリカ相場は休場から大統領就任演説と、またはっきりとしない流れが続く。ややこしいなぁ。