墓場の裏から視ていた

孤島に屍骸、それの横に落ちていた日記。株の事とかを記録してある。

 家の玄関を出て正面の少し下った所に小さなアパートがある。昭和時代からの物件。子供の頃の昔は1階によく遊んでもらった5つ年上のK君家族が暮らしていて、2階には何かのおばちゃんが暮らしていた2戸だけのアパート。その後は2階は普通のOLが長く暮らしていた。この人は実家がすぐ近所らしいが、わざわざそこで独り暮らしをしていた。その時分は2階への階段に鉢植えが置かれて花が咲いていたり、玄関も飾られたりして特に古さが気になることもなかったが、そのOLが出て行ってからは殺風景になった。
 そしてずっと空き家のまま時が過ぎて2年前、突然に若い女の子の引越し作業を見た時は複雑な心境、長くは居ないだろうなとも思った。間違った選択は全くの他所からやって来たからに他ならないはずで、少し生活が落ち着いて周りを出歩いてみればもっと良い物件はいくらでもある。というより良い条件の物件しかなく、しかも余っている。その頃はもう新築アパート建設ラッシュが始まっていたし、同じような家賃の昭和の物件に若い子でなくとも誰か新規が暮らす理由はないはずで、やはり冬が一度だけ過ぎた頃、おしゃれな折り畳み自転車が階段下に置かれているのを見なくなった。K君のおっちゃんによる『事故物件』も、これであとは何事もなかったように消えるだけなんだろうなと直感していたが、そのまましばらく経っていた。
 家に戻って玄関前の掃き掃除をしていると、正面の筋の突き当たりから曲がって来る人の気配。よれたズボンの裾と狭い歩幅を引き摺るひょろりとした初老の男。杖をつき、食べ物の買い出し帰りかビニール袋をひっかけているがそれは最小。どこかへ通り過ぎるまでの間を見ぬフリをしながら少しだけ玄関に隠れようとした理由は、初めて見るその人物が携えるただならぬ死相。不気味に感じてしまった。
 平成年間のアパート・マンションでも空室ばかりになる最中、昭和の物件にも最後の役割があるようで、明らかに身寄りのない生活保護受給者だと見受けたが、何処かからの斡旋によるものなのか知らぬうちに入居していたようだ。その人物は遠くへ歩き去ることはなく、取り壊しを待つ運命のみのはずのアパートの2階へヨロヨロと消えた。
 その様子を確認しながらしかし・・・しかしだけど、そんな幽霊みたいな気配の人物でも自分で歩いて買い物へ行っているというのに、年末に差し掛かってからのうちの父親の衰えはつるべ落としだ。一人での買い物は難しくなり、来年中に死ぬペースだ。この秋までは自転車にも乗って出掛けていたのに。インターネットを触らせようとスマホを持たせた途端、それが玉手箱であったかのように急に足元もおぼつかなくなった。これが突拍子のない話しではい。

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12/25(夜)・12/28(日) ミニTOPIX 残り 買い1枚 売り2枚
松井証券先物OP余力情報より

金曜夜間の出来高は限りなく薄く動かず。新規の約定もなし。本日の午前はトランプ大統領が経済対策案に署名したとかで上昇も、下手に追いかけることはせず。出来高を求めて少しだけ日経225miniの方で売買をした。
突発的な動きに振られて損を計上しなかっただけで良しとする。

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12/25(夜)・12/28(日) 大阪金(限日) 残り 買い0枚 売り1枚
日産証券売買損益より

買 6333円⇒6382円
金曜の夜間にミニTOPIXが全然動かないので、こちらで100円だけでも利益をと、成行で新規約定。それがたまたま午前の動きで値幅が出ただけ。結果だけなら問題ないが、不要な悪い手出しの売買だったと思う。