墓場の裏から視ていた

孤島に屍骸、それの横に落ちていた日記。株の事とかを記録してある。

あぁ。あれから1年①

 本当に、本当に時の流れが加速している。その一因は自分が全く成長できず、ズルズルと死の淵に引き摺られなが近づいているからか。
 もう1年が経つのかと信じられずに驚く。去年の今頃は右手に悪い菌が入り、人生初の入院生活に落ち込んでいた。保険を使ってもタダという訳にはいかない、確か14万か15万かの想定外の出費があってイタいイタいと言っていた。取り返すため、本格的に先物にのめり込むきっかけとなった。
 本当にあれから1年が過ぎた。1年間ずっともがき続けたら、脱出どころか身動きが取れない状態にまでなっているとは情けない。
 やっぱり、しっかりと区切りを入れるタイミングかもしれない。
 
 そうそう、眠れもしない激痛だった。人生で一番の痛さだったけど、その感覚を思い出そうとすると脳がセーフティモードに切り替わって遮断される。抵抗の後、観念して病院に向かう時、外に出たら視界がすごくキラキラしていたのは覚えている。本来はくすんでいるはずのいつもの町並みを「はえ~!」と見渡し、あまりの激痛に、脳内でなんらかの麻薬物質のようなものが分泌されているのではないかと結論づけた。
 一番近くの病院で先生に手を診せると「あっ、これは・・・」と3秒。紹介状を貰って大きな病院に向かうことになったが異論の余地はなかった。「このままだと切断ということも有り得るので」という言葉が、脅しではないと素人でも察することができたからだ。右手首の内側真ん中から伸びた赤い線が、真っ直ぐに肘まで届きそうなほど勢いを増していたのが不気味だった。