墓場の裏から視ていた

孤島に屍骸、それの横に落ちていた日記。株の事とかを記録してある。

 バス道よりも一本入った旧街道に沿った路地。山へ行く時、ワンコの散歩をする時、プラモ屋のショーケースを見に駆ける時。物心がつくと同時に認識され、空間把握能力の構築と共に形成されたオリジナルマップがまた消える。
 胸騒ぎを覚えて何気に向かった先、アパートの玄関は開けられていて、中から食器の生活音と話し声。申し訳ないがゆっくり歩きながら覗かせてもらった。小さな部屋に小さなおばあさんが背中をまるめて団欒。見回すと他の全ての部屋は、すでに扉や換気扇が取り外され、建て付けも外に運びだされて情念と共に開放されていた。上階と左右の闇に対抗し、最後の猶予を照らす一部屋の蛍光灯の力強さが寂しい。
 勝手な推測だが、この最後の部屋はたまたま最近入居していたのではない。通るたび整理されていた綺麗な玄関先と並べられたほうき、変わらず手入れされた植木。他にも、扉に貼り付けられたステッカー・シール類は、子供の頃に友達と指差したそのままだった。一時期立て掛けてあったスキー板、停めてあった原付等の記憶や家賃相場も勘案すると、ここで母親一人と息子一人で控え目な人生を務め上げたとみた。
 実際に目にした経験や伝え聞いた事実として、これまで頑張って公費の負担になる事も控え、長く住み慣れた場所で自立していたお年寄りが施設に移ったりすると、急速に弱る。認知症を発症したりするケースも多い。最後の団欒が独りでなかったのが救いか。テレビの音声ではなかったはず。
 何か情調の訴えを持っているという訳ではなく、明日は我が身の姿という現実が単純に恐怖。また最近の世の中は、カネを回したいのだろうが退場への急かされ方が異常。この加速なら自分の順番なんかもすぐに来てしまいそうで戸惑うし、耐えて受け入れる準備も全然出来ていない。
 簡単に片付けられた人生の名残りを見舞いに向かったせいで、また無意識に増幅していた焦りが株に影響してしまった。

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6/14(信用買い・売り・計)

惨敗。今日みたいにダラダラと緩い坂道を登り続ける展開は、自分のやり方と一番相性が悪い。売りの810円は(2491)バリューコマース。3万円近い含み益をあえて買い戻さずにこのザマ。上に向かう余地がたっぷりのチャートはしっかりと確認していたが、もう一押しだけを期待していたのも焦りからか。どこまでも我慢するつもりだったが他の建て銘柄も同じ動きで、余力が0になるので諦めて苦渋。せめて数字をマイナスにしないだけのタイミングだが、実質は数万円のマイナス。
昨日の大引けで、あえて建てた(4911)資生堂。朝は9000円程含み益を出していたが1万円以上を望んで買い戻さず。過去にさんざん切り返しに振り回されて損失を計上した銘柄だったので、その動きを期待したのに全体の流れ同様、素直な一本調子でダラダラと上昇。むしろ含み損が膨らんだ。
とにかく、狙いすぎだし願望を出し過ぎ。しんどいが、やっぱり手堅く重ねるのが正解なのか。とにかく、月曜日はまたピンチだが待つだけ。